Les ouins-ouins à bord

わんわん、乗ってます

フランス人と、『tutoyer』

 

当方、事情がありまして、

お久しぶりの更新となりましたが

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

更新が途切れた最後の記事のタイトルが、

『立ち○ョン』だなんて、、、恥ずかしすぎる。

 ((ノд`*)っ)) もぉうっ

 

気を取り直して、今回は、

ちょっと真面目な話題で行ってみましょう

 

フランス人と、『tutoyer』 についての、お話

 

フランス語になじみの無い方に、簡単に説明させていただきますと、

フランス語の二人称単数(英語のyou)には

『tu』と『vous』の、二つの形がありまして、

前者は家族・友人・子ども等の気軽な相手に、

後者はそれ以外の相手に丁寧な言葉遣いとして用いられます

 

『tu』で会話することを『tutoyer(テュトワイエ)

『vous』を用いて会話することを『vouvoyer(ヴヴォワイエ)

と言いますが、

フランス語の場合、

主語の人称が変わることで動詞の活用形も変わり、

なにかと複雑になりますので

しかるべき相手に対し、きちんと『vouvoyer』で会話できる、というのは

日本語において、敬語をきちんと使えることと同様、

ある意味、『教養の証』となるのです

 

この、『tutoyer』と『vouvoyer』に関する

リスナーからの興味深い相談が

2018年1月9日付の『Manu dans le69』に寄せられました

 

相談者は教育機関で指導者として働く30代の女性;Emanuelleさん

新入りの同僚から「tutoyer」で話さないかと提案されます

問題は、その同僚が15歳程度年上だ、ということ

いくら仕事上の後輩だといっても、年上の方相手に『tutoyer』では話しづらい
とはいえ、相手からの提案も無視できず・・・・・

 

年齢的・立場的なものも含めて、

『vous』と『tu』を使いわける、一般的な感覚を知りたい、

とのことで番組に電話相談、話題として取り上げられました

 

メンバーの意見としては

 

・この女性が30歳として、相手は45歳、自分だったら問題なく『tu』で話す(M)

・相手が『tu』で話すことを提案しているなら『tutoyer』で話すべき(N)

(相手が新入りであることから)『tutoyer』を提案することで、立場的に自分が下であることを認めつつ、話し相手を同じ立ち位置におろしているように感じる(G)

・『vouvoyer』は敬意のしるし。(15歳の年齢差を意識して)この場合、『vouvoyer』で話すのは妥当だと思う。自分的には友人の親に対しては『vouvoyer』で話しているし(L)

(友人の親に対して『vouvoyer』で話すという意見に対して)自分も一応そういう感覚はあるが、例えば親友の親で、相手が構わないようなら、(かなり目上の相手でも)自分は『tutoyer』で話す(M)

・友人の親と自分という立場&年齢差を考えると、私はそういう相手に『tutoyer』はあり得ない(L)

・ただ、相手が『tu』で話そうと言っているのに『vous』で話すというのは、やや侮辱的な気もする。相手の年齢を意識し過ぎていて「自分より年寄り」的なアピールにもなり、馬鹿にしていると思われることもある(G)

・確かに、14、15歳の思春期の子に『vouvoyer』を使われると(妙に丁寧に話をされると)「『tu 』で話さなかったら返事せーへんぞ(おっさん扱いすんな)」という気になる(M)
(↑一同、激しく同意)

・私はお医者さんにしか『vous』で話さない。そうすることで尊敬の念を表現できるし、より良い治療が受けられる気がするから。あとはJackおじいちゃん、彼はコワイので家族全員が『vouvoyer』で話しかけてる

でも、基本的には『tutoyer』。

ちなみに、ブティックの店員にも『tutoyer』。だいたい自分と同じくらいの年齢だし、洋服のことを話している、という点では友人とかわらないから(P)
(↑この意見には一同びっくり)

・だから、警察官にも『tutoyer』で話す(P)

(これらのPouletteの意見に対して)あまりにも気易す過ぎない?(M)

・私はたいてい『tutoyer』で通している、採用面接のときだって(Manuに対し)『tu』で話してたでしょ?(P)

 

以上、()内はメンバーのイニシャルです
訳が違っていたらすいません、、、
一応、男性の意見女性の意見で色分けしてみましたが、
この問題に関しては、男女の、というよりは、個人の考え方の違いの方が大きいですね

 

と、まあ、こんな感じの意見が出そろいまして、

結局のところみんなそれぞれの基準で使い分けていることなので

フランス人にとってもなかなかデリケートな問題だよね、

という感じで、締めくくられていました

 

結局、相談者の女性は

「ちょっと自分の感覚ではしんどいけど、『tutoyer』で話してみようかな?」

という結論に至りました

 

今回の、『vouvoyer』についてのフランス人の本音トーク

改めて話題にすることが無い内容だったので、とても興味深かったです

「へー、フランス人でもこういうことで悩んだりするんだねー」、的な?
日本人同士でもありますよね、「タメ口?敬語??」みたいなシチュエーション

 

さて、

『tutoyer』と『vouvoyer』の使い分け、は、

日本人にとっての『タメ口』と『敬語』のようなものなので、

フランス語でのコミュニケーションにおいて、

わたし的にはそれほど違和感なくなじめた気がしますが、

英語圏の方々には少々身につけづらい感覚のようでした

 

お世話になっているホストファミリーとか、語学学校の先生とか、

果ては校長先生とか、入国管理局の担当職員さんとかを相手に、

彼らは何の迷いもなく『tutoyer』で話しかけるので、

見ているこっちがヒヤヒヤしたものです

 

まあ、上記の方々の場合、相手も外国人慣れしているので、

全然気にしていないというか、気さくに対応してくれてましたけども・・・

 

ただ!!

同じ事をアジア系がやるとひどい目に合うので、そこは注意が必要です

 

たぶん、フランス人の感覚として、

「アジア系は礼儀正しい」

というのが刷り込まれているのでしょうねぇ

 

礼儀正しいはずのアジア系に、いきなり『tutoyer』されると

「馬鹿にされたっ!!!!!」

という印象を与えてしまうようです

もちろん、相手にもよりますが・・・

 

ラジオでも話題にされたとおり、

フランス人同士でも、かなり捉え方の違う『tutoyer』と『vouvoyer』

日本人がフランス語で会話する際にも、

日本的な「礼儀感覚」を大事にして会話する方がトラブルが少ない、

と、私は思っています

 

今回話題にしたのは 「Mardi 9 janvier 2018」の放送分

こちら↓のpodcastで聞くことができます

番組の、わりと始めの方に出てきますので、

興味のある方は是非!

ただし、過去の放送は順次消されて行っているみたいですので
すでに消えていたらすいません!

www.nrj.fr